トップ

>

コラム

>

製菓・製パン技術

>

パン屋の開業でよくある7つの失...

  • #ベーカリー

  • #独立開業

パン屋の開業でよくある7つの失敗と7つの予防策

製菓・製パン技術

製菓・製パン技術

Contents

目次

「パン屋を開業したけれど、どうもうまくいかない」「失敗のパターンを知りたい」というお悩みをお持ちではありませんか。街中でパン屋の開業を見かけることは多いですが、同時に閉店する店舗も少なくありません。パン作りができるだけでは、ビジネスとして成功できるとは限らないのです。

開業前に典型的な失敗事例を学ぶことで、同じ轍を踏まずに済むでしょう。ここでは、パン屋開業に関する失敗例を共有し、それを防ぐためのポイントを解説します。

なお、丸冨士では1957年に創業して以降、製菓・製パン業界を中心にお客様と地域の食文化を守り育ててきました。ベーカリー開業を目指す方に向けて、物件選びから資金調達、厨房機会、商品開発といったパン屋の開業をトータルサポートする開業支援を行っていますので、開業にハードルを感じている方はお気軽にご相談ください。
» ベーカリー開業支援に関して詳しくはこちら

パン屋の開業は難しいのか?

パン屋の開業を夢見る方は決して少なくありません。

「好きなパンを作りたい」「自分のお店を持ちたい」という思いから、脱サラしてパン職人を目指す方や、趣味から発展させてお店をオープンする方も多いです。

しかし、開業はゴールではなく新たなスタート地点に過ぎません。

統計によると、飲食店の5年後の生存率は約20〜30%といわれており、パン屋も例外ではありません。特に開業1〜3年目が最も厳しい時期とされています。技術力だけでなく、経営センスや集客力も求められるため、「おいしいパンが焼ける」というだけでは長期的な経営は困難です。

一般的な開業資金は立地や規模にもよりますが、500万円〜2,000万円程度が目安とされています。

しかし、近年は小麦粉やバターなどの原材料価格の高騰も課題となっており、利益率を確保するのは容易ではありません。さらに、パン業界は参入障壁が比較的低いため競争が激しく、差別化が難しいという側面もあります。

こうした厳しい現実がある一方で、地域に根差したパン屋や独自のコンセプトを持ったベーカリーは根強いファンを獲得し、長く愛される存在になっています。成功と失敗を分けるポイントを理解することが、開業を成功させる大きな鍵となるでしょう。

パン屋の開業でよくある7つの失敗

パン屋を開業する際に陥りやすい失敗パターンは、大きく7つに分けることができます。

これらを事前に理解しておくことで、リスクを最小限に抑えることが可能です。

1:よく調べずに、勢いで開業を始めてしまう

開業時の設備投資や内装、厨房機器に対する見積もりをよく把握せずに、設計会社・施工会社へ丸投げして発注してしまうと、相場より高額なコストを負担するだけでなく、使い勝手の悪い厨房設備が出来上がってしまうケースが多発します。

設計士にも得手不得手があるため、十分なヒアリングや第三者の相見積もりを取ることが重要です。

2:安く済むのが良いことだと思い込み、かえって損をしてしまう

資金保全を優先し過ぎて借入を極端に忌避すると、ギリギリの運転資金でスタートし、開業直後に手持ち資金が底をつくリスクが高まります。

創業融資は運転資金向けの融資割合が高く、比較的借りやすい点を活かし、売上が安定するまでの余裕資金を確保しておくことをおすすめします。使わなかった分は後で返済すればよいのです。

【失敗事例①】機械費用をケチって逆に高くついたケース

縦型ミキサー自体は、非常に耐用年数が長いものですが、使い方を誤ればすぐに故障してしまう繊細さも併せ持っています。

とあるお客様の事例です。新品の縦型ミキサー(100万円)が高額という理由で、ネットオークションで同等の中古ミキサー(30万円)を購入しました。しかし試作中に軸が折れ、クレームを入れたら、実は陶芸用として使われていた機材だと発覚。オークション品のため、修理・返品対応には応じてもらえません。

結局新品を買い直し、30万円を丸々損失となってしまいました。

【失敗事例②】中古冷蔵庫購入で思わぬ追加費用

新品30万円の冷蔵庫を半額以下で中古購入したところ、1週間で冷えが悪化するという症状が出始めました。

メーカーに修理見積を依頼したところ、出張+部品代で20万円超。入れ替え費用もかさみ、修理を断念して物置に転用することになりました。

これらから分かるように、ネットオークションなどアフターフォローが見込めない業者から安易に機械を購入すると、結果的に多大な損失を招く恐れがあります。

3:店舗立地の選定ミス

立地選定は成功の鍵を握る重要な要素ですが、単純に「人通りが多い=売上が見込める」とは限りません。ターゲット層と立地のミスマッチが起こることもあります。

例えば、若い家族が多い住宅街に高級志向のハード系パン専門店を出店して客層とのミスマッチが生じたり、住宅街のパン屋で駐車場を確保していなかったために主婦層が買い物に来られなかったりするケースがあります。

特に地方では、車が必須の為、ある程度の駐車場の確保は必要になることが多いです。

4:コンセプト・差別化が不十分

現在のパン市場は飽和状態にあり、多くの店が似たようなパンを提供しています。このような環境で埋もれないためには、明確な差別化ポイントが必要です。

独自の強み(USP:Unique Selling Proposition)を持たないパン屋は、価格競争に巻き込まれやすく、利益率の低下を招きます。

「おいしいパン」だけでは差別化要因として弱く、何か特別な魅力がなければ顧客の記憶に残りにくいのです。

具体例としては、高級食パンブームに乗り遅れ、特徴のない食パンだけで勝負して失敗したケースがあります。周囲に既に人気の高級食パン専門店がある中で、特別な製法や材料を使わない普通の食パンでは、競争優位性を確保できませんでした。

5:オペレーション・人材管理に課題がある

パン屋は早朝からの仕込みが常態化しており、長時間労働が避けられない業種です。そのため、スタッフの定着率が低くなりがちで、職人の技術に依存しすぎるあまりマニュアルが整備されていないケースも少なくありません。

加えて、最近は労働基準監督署の指導が厳格化しており、パン屋特有の長時間労働が問題視されやすく、後になって従業員から未払い残業代を請求されるリスクも高まっています。

特に開業当初はオーナー一人に作業が集中しがちですが、持続可能な経営を実現するには、適切な人員配置と業務分担を行い、労働時間の管理や就業規則の整備など、法令を遵守した労働環境づくりを徹底することが不可欠です。

6:メニュー・原材料コストの管理不足

パン屋の経営において、原材料コストの管理は利益確保のために極めて重要です。しかし、職人気質の経営者は品質を優先するあまり、コスト意識が低くなりがちです。

高級食材を使用すれば商品の質は向上しますが、それに見合った価格設定ができなければ、粗利益率が極端に低くなります。パンは単価が比較的低い商品が多いため、わずかなコスト増でも利益に大きく影響します。

面倒ではありますが、しっかりと原価計算をしたうえで、商品の売価を決めていく事が大切です。

7:宣伝・集客戦略の欠如

「美味しければお客さんは自然と来る」という思い込みは、パン屋経営における大きな落とし穴です。どんなに質の高い商品を提供していても、その存在を知ってもらわなければ集客はできません。

多くの失敗事例では、SNSや地域メディアなどの活用が不足しており、開店当初の話題性が過ぎると客足が途絶えてしまうパターンが見られます。特に、現代の消費者はInstagramなどのSNSを通じて新しい店舗情報を得ることが多いため、これらを活用しない店舗は若年層の集客に苦戦します。

具体例として、広告・チラシやHP、SNSも活用せず知名度ゼロのまま客足が伸びなかったケースがあります。技術には自信があったものの、「良い商品は口コミで広がる」と考え積極的な宣伝活動を行わなかった結果、開店から半年経っても地域住民に店の存在すら知られていない状況に陥りました。

最近は「ローカルインフルエンサー」という、地域密着型でローカルな飲食店情報を発信しているInstagramアカウントもあります。そういうアカウントとコラボレーションするとWEB集客につながりやすいです。

番外:プロダクトアウト発想ではなくマーケットインの発想を

「自分が焼きたいパン」を優先しすぎて顧客ニーズを無視してしまうのは、確かに失敗の一因になりがちです。しかし、この問題は単純ではありません。

パン職人にはそれぞれ得意分野があり、また長期的に商売を続ける上では、"自分が焼きたいパン"を作る喜びやモチベーションも大切です。そこで、お店を持つ以上は、マーケットの動向を意識しつつも、ある程度は自分のこだわりを反映させたパンを提供することが、長い目で見たときに望ましいでしょう。

市場が求めるパンの種類や価格帯の分析不足は大きな問題です。例えば、小さな子どもが多いエリアなのに高価格帯のハード系パン中心のラインナップにして売れなかったケースがあります。家族連れの多い住宅エリアでは、子どもも食べやすい菓子パンやシンプルな食パンの需要が高いのに、自分の得意とするフランスパンやドイツパンにこだわり過ぎた結果、地域のニーズとマッチしなかったのです。

パン屋の開業で失敗しないためのポイント

失敗事例から教訓を得たところで、次は成功するパン屋になるための具体的なポイントを見ていきましょう。

1:事前の市場リサーチとニーズ確認を徹底する

パン屋の開業において、立地は事前の市場リサーチで最も重視すべきポイントです。店舗の場所によって戦略が大きく変わるからです。

山奥に作るのか、駅前に作るのかで戦略はまったく異なります。各市町村で"一番店"になれるのであれば、人口が少ない村でも十分に事業が成り立つ可能性があります。

一方で、高いクオリティと話題性を兼ね備えた"デスティネーション"パン屋として遠方から人を呼び寄せるには、地方ではハードルが高いという現実もあります。

こうした立地条件や市場特性を踏まえ、商圏調査・競合店分析を入念に行うことが、開業時の失敗を回避するために重要です。具体的な手法としては、商圏内の人口動態・世帯構成の調査、半径500m以内の競合店舗のメニュー・価格帯分析、試食イベントによる潜在顧客の反応確認などが有効です。

こうした調査を行うメリットは、ターゲット層のニーズに合致した商品開発が可能になることです。さらに独自性を出すために、他業種(カフェやスーパー)とのコラボ可能性なども視野に入れると良いでしょう。例えば、近隣のコーヒーショップと提携してパンとコーヒーのセット販売を行ったり、地域のスーパーに卸すことで安定した売上を確保する方法も考えられます。

2:コンセプトの明確化、ブランディングを意識する

パン屋は価格を上げづらい業種であり、これが経営の難しさのひとつとなっています。

この課題を克服するためには、付加価値をつけて差別化し、少しずつでも値上げできる体制を整えることが重要です。そうすることで、薄利多売のビジネスモデルから脱却できます。

具体的な戦略としては、「素材」「製法」「提供形態」など自店だけの売りを作ることが挙げられます。

例えば、地元産の小麦や酵母にこだわる、長時間発酵製法を採用する、イートインスペースで焼きたてを提供するなどの差別化ポイントが考えられます。また、ビジュアル面を意識した店舗デザインとパンの見せ方も重要で、インスタ映えする商品や店舗は現代の集客において大きな武器となります。

独自性を出す方法としては、地域密着型のコミュニティスペース化も効果的です。パン教室の開催や地域イベントへの参加、SNSで発信したくなる「映え」を意識した商品開発などを通じて、単なる「パンを買う場所」ではなく、地域コミュニティの一部となる存在を目指すことで、ブランドロイヤリティを高めることができます。

3:資金計画と損益シミュレーションをしておく

リースやクラウドファンディングなどの新しい資金調達方法は、確かに選択肢として検討する価値があります。ただし、新規開業ではリースが難しい場合が多く、またクラウドファンディングも成功事例が思ったほど多くないのが現状です。

それでも、こうした方法を視野に入れ、複数の収支モデルを最低3パターンほど組み、緊急時に対応できる余剰資金も確保しておくことで、リスク分散が可能になります。例えば、最悪のケース(売上目標の50%)、現実的なケース(売上目標の80%)、理想的なケース(売上目標の100%以上)という3つのシナリオを想定し、それぞれに対応するための資金計画を立てておくことが重要です。

最適な手段を選択するためにも、開業前の段階で幅広く資金調達手段を検討し、資金計画と損益シミュレーションをしっかり行うことが大切です。銀行融資だけでなく、各地域の創業支援補助金や日本政策金融公庫の創業融資なども活用し、安定した資金基盤を確保しましょう。

4:強みを生かした商品ラインナップと価格設定をする

パン屋の収益性を高めるためには、原材料のロスを最小化する仕入れルートの確保が重要です。地元の生産者と直接取引することで中間マージンを削減したり、仕入れロットの最適化によって無駄を減らすことが有効です。

また、人気の高いパンと独自性のあるパンのバランスを取ることも大切です。定番商品で安定した売上を確保しながら、オリジナリティの高い商品で差別化を図るという戦略が効果的です。例えば、基本の食パンやロールパンなどのベーシックなアイテムに加え、季節限定商品や地域の特産品を活かした特別なパンを提供することで、幅広い客層の支持を得ることができます。

独自性を出す方法としては、アレルギー対応や低糖質パンなど今後需要の高まる商品を取り入れることも検討価値があります。健康志向の高まりや食の多様化に対応することで、特定のニーズを持つ顧客層を獲得し、競合との差別化を図ることができるでしょう。

5:効率的なスタッフ採用・育成と働きやすい環境づくりを行う

効率的なスタッフ採用・育成と働きやすい環境を整えるためには、マニュアル化によって属人化を防ぎ、朝の仕込みの負担を軽減することが大切です。

あわせて、余裕を持った設備を導入したり、冷蔵法などの製法を取り入れることで、深夜帯や早朝帯に過度な負担がかからない生産体制を整備することも効果的です。例えば、前日に生地を仕込んで冷蔵発酵させる方法を採用すれば、当日の作業時間を大幅に短縮でき、早朝からの負担を軽減できます。

これによりシフト制やパート活用のメリットを最大限に生かし、スタッフが長く働きやすい環境をつくることができます。また、技術の共有や研修制度の充実も重要で、一人のスタッフに依存しない組織づくりを目指すことで、長期的な事業の安定性を高めることができるでしょう。

6:WEBとオフラインを融合した集客戦略を検討する

現代のパン屋経営では、実店舗(オフライン)とインターネット(オンライン)の両方で存在感を示すことが重要です。InstagramやTikTokなどのSNSを活用して、ビジュアル映えするパンの写真や動画を発信することで、若い世代を中心に集客することができます。

同時に、従来型のチラシやクーポンを地域新聞やポスティングで配布するなど、デジタルに馴染みの薄い層へのアプローチも忘れてはいけません。特に高齢者の多い地域では、紙媒体の効果は依然として高いものがあります。

さらに独自性を出すためには、公式SNSでパン作りのライブ配信を行ったり、オンラインショップを開設して遠方への販売を行ったりするなど、積極的なデジタル活用も検討しましょう。特にコロナ禍の影響が強くなった2020年以降は、通販需要が高まっています。店舗の認知度を高めると同時に、新たな収益源を確保することができます。

7:継続的な改善を行う

パン屋経営において、継続的な改善は非常に重要です。日々の売上データや顧客の声を収集し、商品やサービスの改善に活かしましょう。例えば、POS(販売時点情報管理)システムを導入することで、商品ごとの売上傾向や時間帯別の客数などを詳細に分析できます。

また、定期的に新商品開発とテスト販売を行うことで、お客様の反応を見ながら商品ラインナップを最適化することができます。季節限定商品や週替わりスペシャルなど、常に新しい要素を取り入れることで、リピーターを飽きさせない工夫も大切です。

さらに、顧客参加型イベント(試食会やパン教室)を開催することで、お客様との距離を縮めると同時に、直接的なフィードバックを得る機会を作ることができます。お客様を巻き込んだ形で店舗を成長させていくことで、ファンとしての愛着も深まります。

実際の失敗談から学ぶ成功ノウハウ

実際のパン屋の失敗事例を分析し、そこから学べる教訓を紹介します。これらの事例は、同じ轍を踏まないための貴重な情報源となるでしょう。

高級食パンブームに踊らされたA店

高級食パン専門店が続々と誕生したのは、コロナ禍が蔓延した2020年のことでした。もともと飲食店を複数店舗経営し、地元に根づいたサービスで信頼を築いてきたA社。しかし、「高級食パンなら新規顧客や話題を一気に取り込めるはず」という強い期待のもと、某プロデュースの高級食パン専門店のプロデュース契約を結びます。

開業資金は店舗の内外装と厨房機械で約2,000万円。駅前商店街の一等地を選び、店内は白と木目を基調としたデザインで統一。看板の奇抜でキャッチーなネーミングもSNS映えし、オープン当初には連日数百人もの行列ができました。しかし、その“華やかな行列”の裏には、次第に資金繰りの苦しさがじわじわと忍び寄っていたのです。

まず立地のミスマッチ。駅前立地とはいえ、通勤客の動線とはずれており、日常的にパンを買いに来る買い物客は思ったほど多くありませんでした。行列は一過性の話題でしかなく、リピーターを定着させるには不十分。さらに、SNS広告やチラシ配布に毎月多額の費用を投じても、リッチで高級な生クリームなどの原材料を惜しみもなく使った食パンの1斤あたりの原価は高く利益は少ない。販促費を売上でカバーできず、キャッシュアウトが加速します。

さらに追い打ちをかけたのがオペレーションのまずさです。A店は売上低迷の焦りから、定期的にイベント出展や半額セールなどの薄利多売を推し進めます。その結果、長時間労働が横行し、店長は過労がたたり離脱。後に労働基準監督署から未払い賃金の指摘を受けて、未払い残業代数百万を支払う羽目になりました。

こうして、高い初期投資と販促コストを回収しきれないまま、赤字を垂れ流し続けた高級食パン専門店。ついには店舗は閉鎖され、親会社であったA社そのものも事業継続が困難となり倒産に至りました。

この「高級食パン専門店」の事例から学ぶべき教訓は明快です。

  1. 流行に踊らされない市場評価
    一時的なブームだけで参入を決めるのではなく、自社の強みや顧客層との親和性を見極めること。SNS映えや話題性は“仮初めの行列”を生むだけにとどまります。

  2. 立地適合性の徹底検証
    一等地=高売上ではありません。本当に日常的に通う顧客がいるかを、商圏分析やサンプル販売で事前にテストすべきです。

  3. 十分な運転資金の確保とシナリオプラン
    最悪・現実・理想の3パターンを想定し、好調期にも不調期にも耐えうる資金計画を策定。初期融資は思い切って多めに借り入れ、余裕を持たせましょう。

  4. オペレーション体制の専任化
    既存事業との兼務では品質と安定感を両立できません。スタッフを採用・育成し、技術を標準化することが大切です。

  5. 販促費用対効果(ROI)の厳密管理
    広告・プロモーションは必要ですが、投資に見合う効果が得られているかを常にモニタリングし、無駄を徹底的に削減する姿勢が求められます。

人材が安定せず開業1年で閉店したB店

B店は駅前の好立地に出店し、当初は多くの客で賑わっていました。しかし、早朝からの仕込みを担当するスタッフの確保に苦労し、結果的にオーナー自身が過重労働に陥り、健康を害してしまいました。一時休業したものの、再開することができず、開業からわずか1年で閉店という結果になりました。

この失敗の主な要因は、人材管理の問題でした。特に朝早い出勤時間の割に給与や待遇の魅力が乏しく、アルバイトスタッフの定着率が非常に低かったのです。また、作業の標準化やマニュアル整備も不十分だったため、新人教育に時間がかかり、オペレーションが安定しませんでした。

このような状況を避けるためには、朝の早い時間帯に勤務可能なシニア層の採用や、交代制の導入などの工夫が必要です。また、前日仕込みの冷蔵製法を取り入れるなど、労働環境の改善にも取り組むべきでしょう。人材確保は短期的にはコスト増につながりますが、長期的な事業継続のためには欠かせない投資と考えるべきです。

失敗事例を糧に、成功するパン屋を目指そう

資金計画・立地・コンセプト・スタッフ管理など、これまで見てきたように、パン屋開業における失敗要因は多岐にわたります。しかし、これらの要因を事前に洗い出し、適切な対策を講じることで、リスクを大幅に軽減することが可能です。

成功するパン屋となるためには、差別化とブランディングによってリピーターを獲得することが重要です。「このパン屋でしか味わえない価値」を提供し続けることで、価格競争に巻き込まれることなく、持続可能な経営を実現できるでしょう。

また、常に顧客目線を忘れず、柔軟に改善し続ける姿勢も成功のカギとなります。市場のニーズや競合環境は常に変化しています。その変化に敏感に反応し、適応していくことで、長く愛されるパン屋となることができるのです。

本記事をきっかけに、これからパン屋を開業しようとしている方は事前準備の重要性を、すでに開業している方は自分のパン屋の強みと改善点を再確認していただければ幸いです。

丸冨士では、ベーカリー開業を目指す方に向けて、物件選びから資金調達、厨房機会、商品開発といったパン屋の開業をトータルサポートする開業支援を行っています。テストキッチンで実際の厨房機会を使用した講演会も開催しており、店舗で必要とする機会も実際に確認・体験できる場もあるので、開業にハードルを感じている方はお気軽にご相談ください。
» ベーカリー開業支援に関して詳しくはこちら

CONTACT

お問い合わせ

商品に関するご意見やご質問など、
どうぞお気軽にお問い合わせください。